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2006-10-21

Googleが実装した三層構造モデルとオーナーシップの概念

2006年9月27日から、GoogleのNotebookがシェアできるようになった 。 このことは、単に「便利になった」以上の重要な意味を持つと思われる。

それは、個人とネット社会の情報交換のあり方が、Googleのツールにおいてほぼ決定づけられたことである。

一つめは、情報流通の3分類、あるいはネットワークの三層構造モデル
二つめは、情報のオーナーシップの概念

この二つの概念がGoogleの主要なツールで導入され、実装されたことの意義は計り知れない。

Googleの影響力を考えると、これによりネットにおける情報が、発信、交換の両面においてますます活性化することを予感させる。特に、ビジネスやアカデミーの分野でのネットの利用価値を増大したといって良い。
「自分」「仲間」「みんな」の3分類
以前のエントリーでも指摘したように、Google Notebookは、特定の仲間同士での情報シェアができなかった。 このことは、Notebookの情報流通が「自分」か、「みんな」という2分類の中で行われている、ということを意味する。

こうした情報の流通形態をとっているものは数多い。たとえば、シンプルなto doリストのcheckpad がそうである。 ソーシャルブックマークに至っては「みんな」のために情報流通をすることが前提となっているものが多く、del.icio.usにしても、はてなブックマークにしても、あるのは「みんな」だけである。

Google Notebookは、コメント機能の充実したソーシャルブックマークだともみなせるが、invitationをかけることによって、「仲間」に情報と情報交換ができるようになった。 これは、第1層「自分」、第2層「仲間」、第3層「みんな」という3分類への情報流通モデルを取り入れた進化だと言える。 この第二層、「仲間」の概念が規定され実装されたことは極めて重要なステップアップだ。

Blogなどの発達で、インターネットの世界(あちら側)では、「みんな」に接することができるようになった。少なくとも思いこみのレベルでは。 だから、その特質を生かして、「みんな」とのオープンな情報流通が発達したことは自然なことだとも思う。 その一方で、現実世界(こちら側)で接する人々は、通常「仲間」であり「(社会を構成する)みんな」ではない。

すなわち、こちら側の現実からすれば、「(現実世界における)仲間」との情報流通を、あちら側のリソースを使って行いたいというニーズは当たり前のように合ったはず。

Googleがここにきて主要なツールで提供し始めたのは、その「仲間」を意識した情報流通を可能にする仕組みである。 Calendarにはじまり、Notebook、Docs&Spreadsheetsで、仲間の設定ができるようになったことで、仲間うちでの作業効率が上がり、情報流通のタイムラグが軽減されることになった。

Googleでは、invitationという「仲間」の設定方法を利用することにより、情報流通の範囲を規定できる。 メールで招待したい人のgmailアドレスに、招待状を送るというシンプルな方法である。 「誰を仲間とするか」を選べる、裏を返せば「仲間に入れたくない人」を排除できる仕組みが整ったわけである。 これらの主要ツールで、情報流通の方式が統一された、とも言える。

今後、このモデルが標準になったと考えてみよう。 たとえば、はてなブックマークが、同じ会社のプロジェクトの仲間うちだけでも使えるようになったら、その利用シーンや利用者は増える、と思われるがいかがだろうか。

なお、誤解をしないでいただきたいのだが、Googleが初めてこのモデルを採用したわけではない。 たとえばRemember the milk はすでに「仲間」をinviteできる仕組みを導入済みである。

今のところ、この3分類における、用語とユーザーインターフェースの統一は完全には行われていない。 「みんな」への情報発信は「publish」という用語で統一されている。
「仲間」については、カレンダーとNotebookについては「share」、Docs&Spreadsheetsでは「Collaborate」の用語が充てられている。
また、ShareされているNotebookは、オレンジ色を枠の基調色とし、プライベートなものと区別されているが、Docs&Spreadsheetsに関しては、その区別はない。 個人的には、Notebookにおける区別を、Docs&Spreadsheetsに流用して欲しいと思うが。

追記:2006年11月30日に、Docs&Spreadsheetsに「publish」機能が追加された。すなわち、「仲間」を超えた「みんな」への情報発信ができるようになり、Docs&Spreadsheetsにも同じ3層構造が適用されたことになる。(2006/12/02)

オーナーシップの概念
Googleは、invitationによって仲間を設定すると同時に、inviteする側の人をその情報のオーナーに規定している。 Calendarや文書やNotebookを作った人が自動的にオーナーになる仕組みである。

これは、Calendarも、Notebookも、Docs&Spreadsheetsも同じである。 オーナーは、仲間のうち、誰がその情報を管理し、修正、改変の権利を誰に対して付与するかをコントロールできる仕掛けになっているのだ。 この概念も、ビジネスなどの目的的な作業を行うためには、機能として不可欠といってもいいものだ。

そうした仕組みをツールの中に導入し、ツールとしての柔軟性を与えたことが今後のWebにおける共同作業を格段にやりやすくしている。 仮に情報の共有が、仲間うちでは等しくあるべきだという信念の持ち主なら、自分がオーナーになり、全ての仲間(Collaboraters)に修正・改変の権利を付与すればいいだけのことだ。

なお、今の段階で、invitationをかけられるのはgmailのアカウント保持者に対してのみである。
これが続くなら囲い込み戦略といえるだろうが、それがいつまで続くのかはわからない。
Critical massを達成するまでなのか、Docs&Spreadsheetsが正式版としてリリースされるまでなのか、それともずっと続くのか、注目に値する。

次なる進化の方向性
Googleをはじめ、Webサービスの提供者が、どの程度情報流通のレイヤーを意識して、サービスの設計をしているのか知らない。 だが、Googleが万が一無意識的に、またはユーザーの希望を聞いて初めて「仲間」への情報流通を実装したとしても、私はこれがある種の標準モデルになるだろうと思う。
では、今後どのようになるか。

「自分」と「みんな」のうち、 「自分」に関しては、「自分だけ」という以外に規定のしようがない。
「みんな」については、「同じサービスを受けているあらゆる人」とするか「インターネットにアクセスする人全部」にするかいずれかだが、サービスが登録制かどうかによってほとんど自動的に規定されることになる、という現実がそのまま将来も続くだろう。

Googleの場合、「仲間」については、2つの発展の可能性を残していると考える。

一つめはオーナーシップの移転
もう一つは「仲間」の自然増殖の仕掛け

現行の作った人がオーナー、という考え方はシンプルでわかりやすく納得のいく仕組みだが、実世界(こちら側)の情報共有などの現実を考えると、オーナーシップの移転が必要になることもある。

オーナーが、退職、異動などの事情によりオーナーを続けられなくなった場合の措置である。オーナーシップの移転だけでなく、サブオーナーの設置により、本人が病気になった場合などに備えることも考えられる。要するに、かつてのBBSなどのSysopのあり方と同じである。

「仲間」の自然増殖というのは、友達が友達を紹介するという仕掛けで、SNSに使われている様式である。 オーナーが、「仲間(メンバー)」に自由にinvitationをかける権利を付与することによって実現される。 あえて、オーナーによるコントロールを一部放棄するものだが、情報を共有すべき仲間を増やすことが可能になる。 すなわち、第二層の規定をより柔軟にすることで、ビジネスとそれ以外、仲間作りを目的としたものとそうでないものなど、情報の内容に応じたより幅広い共有、流通の形態がConsumerに与えられることになる。

この2つが加われば、情報流通のさせかたはほぼ完成すると思われる。

訂正:いつの間にかはてなブックマークもシェアできるようになっていました。変化の激しさを感じます
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